[2012/4/30](2001年訪問時からあった)
佐野実 著書
「オレが唸った一杯」のコピー
スッキリ醤油味に手打ち麺がマッチ
それにしても遠いな。奥多摩でロケーションは抜群だが、車じゃなきゃ絶対に来られない場所だ。店内には土産物までいているず。こんな”観光地系”の店で旨いラーメンが出てくるわけがないと思っていたが、おやっ、なかなか醤油のいい香りがするな。スッキリした醤油味なのに、しっかりとコクもある。すっと入っていくオーソドックスなラーメンだ。意外とうまいじゃねえか。
麺も本格派の自家製手打ちだ。保存状態が悪いのか、ちょっと乾風気味だが、それでもコシといい歯ごたえといい、手打ちでしか表現できない醍醐味が味わえる。手打ち麺を出す店は、スープがおろそかになりがちだが、スープも麺に負けていない。昔ながらの醤油ラーメンを出す店としては、東京でも屈指の出来栄えだろう。さすがのオレもびっくりしたぞ。
奥多摩湖を一望できる眺めの良さは、オレの知る限りでは東京ではナンバーワンだ。恐ろしい穴場を見つけちまったぜ。だが、ちょっと待てよ。スープの作り方から考えると、今の時間が一番良い状態なのかもしれないぞ。だとしたら、これを読んで食べに行こうとしている読者に教えてやろう。わざわざ車を飛ばして行くなら、3時が狙い目だ。覚えとけよ。
さの・みのる 51年生まれ。「ガチンコ!」(TBS系)の人気企画「ラーメン道」に鬼の指南役として出演し話題に。新横浜ラーメン博物館内の「支那そばや」店主
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