放映日:98/01/01(土) 19:00〜
番組名:TVチャンピオン(テレビ東京)
    日本一うまいラーメン決定戦
紹介店:大龍ラーメン東相川店@久留米
    八戒@広島
    酔笑ラーメン@高松
    ラーメン工房 あ@宝塚
    井出商店@和歌山
    呑助飯店@名古屋
    ラーメン藤@松本
    中島家@横浜
    宮口軒@藤岡
    初代@小樽

    その他ノミネート店ではないが、
     長浜とん吉 港一番@長浜屋台
     一風堂本店@博多
     一蘭@博多
     すずめ@広島
     浜ラーメン@岡山



放映内容

TVチャンピオンのラーメン選手権で優勝・準優勝した5人が2軒ずつTV初登場のラーメン店を紹介し、推薦人以外の4人が「スープ・麺・具・店・バランス」の各5点、計25点×4=100点という採点方法で、日本一を決めようという企画。

5人のメンバーは次のとおり。
石神秀幸さん(25歳)
 第3・4回ラーメン王選手権優勝2連覇
 メモもカメラも持たないで、全て記憶する。
大村明彦さん(35歳)
 第4回ラーメン王選手権準優勝 ラーメンブラザーズ兄
 日本IBM勤務。デジカメ片手に食べ歩き1日9杯の記録も。
北島秀一さん(35歳)
 第4回ラーメン王選手権準優勝 ラーメンブラザーズ弟
 富士通勤務。年間700食食べる。五感の記憶力がすごい。
中村匠一さん(25歳)
 初代ラーメン王選手権優勝
 細かくメモを取る
岸本好弘さん(38歳)
 蘊蓄を語らせると凄い情報量。

  (以下、敬称略とさせていただきます。)
 

旅の起点の博多で5人の紹介をする時にそれぞれが行ったラーメン店は次のとおり。
(石神)長浜屋台街の「長浜とん吉 港一番」
ラーメン450円は、トンコツスープに細麺にネギがたっぷり。
(大村・北島)「一風堂本店」
醤油ラーメン600円 白丸元味550円
(中村・岸本)日本初の会員制ラーメン店「一蘭」
ラーメン650円
 

ノミネートされたお店の1店目は、大村さんが推薦する福岡県久留米市の「大龍ラーメン東相川店」
ご主人は松本真一さん。
営業時間:11:00〜23:00
久留米にある4店舗の中で一番旨いとのこと。
並ラーメン 430円。
豚の頭を200kg使い、灯油の強力な火力で旨みを引き出す。
秘伝の醤油ベースのタレに旨味調味料とラードを入れ、そこにトンコツスープを加える。
麺は博多ラーメンより太い中細ストレートで、つなぎに玉子を使わずに小麦粉100%。茹で時間は1分。
具は、チャーシュー3枚、九州産コネギ、メンマ、ノリのコッテリ醤油ラーメン。

   岸本   中村   石神   北島   合計 
スープ   5   5    5    5 
  5   5   4   5
  3   4   3   4
  3   4   5   4
バランス   5   5   5   4
合計  21  23  22  22  88

(岸本・中村)スープと具のバランスがとても良い
(石神)スープが際だって美味しい
(北島)半分食べた後に卓上のニンニクなどのトッピングを加えてみるとどんどん美味しくなってきたことから、私にとっては調整の余地がある味
 

2店目は広島だが、その代表格として「すずめ」を紹介。
中華そば 500円。
スープはトンコツ・トリガラで醤油味のあっさり味。
麺は細目のストレートで、つなぎに玉子を使っている。
具はチャーシュー3枚、モヤシ、ネギ。
 

2店目は、中村さんが推薦する広島市の「八戒」
ご主人は太田義博さん。
中華そば 500円。
スープはご主人が12年前に独学で編み出した。豚骨(月に1トン使用)に背脂・耳・しっぽ・足、トリガラ、野菜を使い、煮込んで、ゼラチン状にになるまで2日寝かせるため、ポタージュスープのようになっている。
タレはチューシューを煮た醤油ダレ。
麺は、玉子入り中細ストレートの自家製麺で、冷蔵庫で1〜2日熟成させる。
チャーシューは、豚バラの三枚肉を2枚。他の具は湯がいたモヤシと青ネギ。 丼はお湯で暖めてある。

   岸本   大村   石神   北島   合計 
スープ   4   5    3    4 
  5   5   5   5
  4   4   4   4
  3   3   5   3
バランス   4   4   4   5
合計  20  21  21  21  83

麺は全員満点。
(大村)中華そばという看板と濃厚なラーメンに差がありすぎる
(北島)店の点数が低かったのは、ご主人がエプロンをしていなくて、腕時計をしているのが清潔感に欠ける
(岸本)中華蕎麦という文字がが看板に3つ重ねて書いてある。ネオンの文字は中華そばとひらがなで統一感がない
(石神)オープンキッチンなのは非常によい。ガラス張りで入店しやすい。関西以西では中華そば=あっさり味ではないで、これはこれで良い
 

3店目の高松に行く途中、岡山で下車して駅から歩いて45分の「浜ラーメン」にてラーメンタイム。
営業時間:11:00〜14:00 17:00〜23:00
定休日:月曜日(祭日は営業)
ラーメン450円 茶濁の豚骨醤油味スープに具は茹でモヤシ、メンマ、青ネギ、ノリ。
全員でもう1軒行ったが店名は不明。暖簾に「○天」とあった。
 

3店目は岸本さんが推薦する香川県高松市の「酔笑ラーメン」
ご主人は河野和彦さん。社長は寺尾秀司さん。
ラーメン 600円。
タレは讃岐うどんの醤油と魚のダシを混ぜた物。
スープは豚骨・鶏ガラ・ニンニク・タマネギ・ショウガ・豚の背脂を8〜10時間煮込んで作る。豚骨だが、讃岐うどんをイメージして澄んだスープ。
麺はうどんを意識して太めの縮れ麺。
具はモモ肉チャーシュー2枚と少々大きめに切った万能ネギ。

   中村   大村   石神   北島   合計 
スープ   4   4    3    4 
  4   4   3   3
  4   4   3   5
  4   5   4   4
バランス   4   4   4   4
合計  20  21  17  20  78

(岸本)豚骨ベースにしてはインパクトがない
(中村)天井にゴミがあって食べていても気が気ではない

(社長)岸本さんのコメントに対して「讃岐うどんに慣れた地元に人にとってインパクトがあり、かつ長くお店に来てくれるようにこの味にした。今後も讃岐うどんの地でラーメンの地位を確立するようがんばる。」とのこと。
 

4店目は中村さんが推薦する宝塚の「ラーメン工房 あ」
宝塚歌劇場の川を挟んで反対側にある。開店して半年で綺麗なラーメン屋さんというよりはファミリーレストランのよう。テラスもある。(席数110席)
「あ」の由来は、あかるい・あいさつ・あさやか・あじわい・あたたか・あんしん・あした・あらたに・あなた・あいする・あの・あきない、の「あ」
店長は川原清多さん。
ラー麺 600円。ラーメンはワゴンで運ばれてくる。器は有名な陶芸家に発注したもの。
スープは女性を意識して、コンブでダシを取り、豚の拳骨・肋骨・若鶏・タマネギ・ショウガ・ニンニク・リンゴ・レモンなどを使用してフルーティーなトンコツスープに仕上げる。
タレは、醤油にスープを濃縮したものを混ぜて6・7種類の調味料と香りの高い白ゴマ・ラードを合わせる。
麺は細麺ストレートで、つなぎの玉子を普通の2倍使う。
具はモヤシ、鹿児島産黒豚のチャーシュー、細ネギ。

   岸本   大村   石神   北島   合計 
スープ   3   4    4    4 
  3   3   3   3
  3   4   5   4
  5   5   5   5
バランス   4   5   3   4
合計  18  21  20  20  79

店に対する採点は全員満点。
(岸本)お店の造りは凄いがラーメンにそれが感じられない
(石神)従業員のお客対応が非常に良い
 

5店目は石神さんが推薦する和歌山の「井出商店」(24-1689)
地元では知らない人がいないという位の老舗で、夜中でも行列ができる人気店。
定休日:木曜日
ご主人は井出紀生さん。奥さんはとし子さん。
中華そば 500円
創業昭和27年。先代はお母さん。夜中でも長い行列。地元では超有名店らしい。店内は約8畳と狭い。
スープは豚骨中心に鶏ガラを少々、他には何も入れずに7〜8時間煮込んだシンプルなもの。
醤油ダレはチャーシューの煮汁。
麺はつなぎを一切使わない小麦粉100%の細麺ストレート。
具は、豚バラチャーシュー小3枚、メンマ、蒲鉾、白ネギ。
これが「45年の味」らしい。

   岸本   大村   中村   北島   合計 
スープ   4   5    5    5 
  3   3   4   4
  4   4   5   5
  5   5   5   4
バランス   5   5   5   5
合計  21  22  24  23  90

(岸本)豚骨醤油で美味しいと聞いていたが、それだけならば他にも美味しい店があるので想像できなかった。だが、食べてみて実感した
(中村)スープも具も店も45年間ラーメンを作り続けてきた井出商店の歴史とご主人の誇りを感じた。他に言うことはない
(北島)今までの最高得点
(大村)ご主人の真心が伝わってくるラーメン。地元も人に愛されたラーメンということを感じた。食べていて嬉しくなってきた

収録後、皆さんしっかりと大盛りで2杯目を平らげたそうだ。
 

6店目は北島さんが推薦する名古屋の「呑助飯店」
営業時間:18:00〜
ご主人:花村武彦さん
中華そば(油濃厚/油薄口)500円
昭和25年から40年火を消さないスープが自慢。スープには一度焼いて焦がした豚骨1日4kgを17時間煮込んでエキスを絞り出す。
醤油ダレはチャーシューの煮汁。そこに40年スープの表面の部分と底の部分を分けて入れる。
麺は中太のストレート。
具は、バラ肉とモモ肉のチャーシュー小2枚、メンマ、刻みネギ。

   岸本   大村   中村   石神   合計 
スープ   5   3    ?    ? 
  4   4   ?   ?
  4   4   ?   ?
  4   5   ?   ?
バランス   5   3   ?   ?
合計  22  19  21  21  83

(大村)私にはこのスープが合わない。スープが突出し過ぎ
(岸本)このラーメンは塩味・醤油味という分類ではなく「油味」だ。スープの表面に香りを逃がさない脂の膜があり、麺をすすることによってそれが破られ、麺をすすり終わった後に脂の良い香りがする。これは絶妙
 

7店目は岸本さんが推薦する長野県松本市の「ラーメン藤」
ご主人:工藤忠夫さん
藤ラーメン 500円
スープダレはチャーシューを漬けた後の醤油。
スープは骨は一切使わず、背脂中心でとる。
麺は普通の太さの縮れ麺。
具は、チャーシュー薄く切ったもの数枚、大量のモヤシ、刻みネギ(地ネギを使用)たくさん。

   北島   大村   中村   石神   合計 
スープ   4   4    ?    5 
  3   4   ?   4
  3   2   ?   4
  5   4   ?   4
バランス   4   4   ?   3
合計  19  18  19  20  76

(北島)床に敷いた絨毯は、滑りやすくなる木の床に対して細かい気配りがあって関心した
(大村)あっさり目のスープに対してモヤシは量が多すぎて薄まってしまう。ネギが辛い
(石神)麺はコシが強いわけでもなくあまり特徴はないが大量のモヤシとの相性が良い。スープはかなりレベルが高い。モヤシは確かに多いが、ネギの辛味がモヤシの臭みを消している。ネギは辛すぎて食べた味が変わってくる
 

8店目は北島さんが推薦するの横浜市「中島家」
ご主人:中島正昭さん
ラーメン 550円
ところがスープがイマイチで準備中になっている。このスープじゃあ推薦した人にも悪いということで、結局食べられず採点不能で残念。
スープは化学調味料を使用せず、ロース骨とゲンコツとダシ昆布などで3時間煮て、最後にトリガラの脂で旨みを加える。
麺は太麺ストレート。
具は、ホーレンソウとチャーシューと大きなノリといかにも「家系」というラーメン。
 

9店目は石神さんが推薦する群馬県藤岡市「宮口軒」
外観はアパートか普通の民家のよう。屋根には赤いパトライトがあり夜やっている目印にしている。
ご主人は上州藤岡ラーメン会会長でもある宮口昭義さん。
純手打羅阿麺 550円
麺に使用する水は藤岡の名水「弘法の井戸」の水を使用している。かん水未使用で小麦粉100%の手打ち。うどんの手法で作るが、うどんは強力粉をあまり使わないが、ラーメンは強力粉と薄力粉を使用し、手切りした麺は半日寝かせて熟成させる。茹で時間は2分と長い。
スープダレは醤油にワイン、ウイスキー、アーモンドの粉を隠し味に使っている。
スープはトリガラ、ブタガラ以外に朝鮮人参、クコの実など漢方の素材を18種類ブレンドしたもの。
具は、ワカメ、ワインで味付けしたチャーシュー、野菜炒め、メンマなど。

   大村   北島   中村   岸本   合計 
スープ   4    5    5    4 
  5   5   5   4
  4   4   5   4
  5   4   5   4
バランス   5   4   4   4
合計  23  22  24  20  89

井出商店には及ばないが歴代第2位。
(岸本)麺を切っている包丁のザラっとした断面が良い舌ざわりになっている
(中村)野菜炒めをのせるなど、一見家庭の味のようだがプロの味
 

10店目は大村さんが推薦する北海道小樽市「初代」
ご主人は太田勝敏さん。味を引き継ぐのが難しくご主人の代で終わらせるから「初代」という店名なのだそうだ。
しょうゆらーめん 630円
スープダレは、数種のラードを合わせて作った秘伝の醤油味。
スープは、トンコツ以外に鶏のツメ・アタマ・野菜・昆布などを半日に込んで作る。
麺は黄色い玉子入り麺で、1週間寝かせて味を引き出している。
具は、スープで煮てからタレで煮込んだチャーシュー、メンマ、ネギ、ノリ。

   北島   岸本   石神   中村   合計 
スープ   ?    ?    ?    ? 
  ?   ?   ?   ?
  ?   ?   ?   ?
  ?   ?   ?   ?
バランス   ?   ?   ?   ?
合計  24  22  20  23  89

井出商店には及ばないが同点第2位。
(岸本)麺が口の中でプリプリと踊っている
(中村)チャーシューの火の通し方が絶妙。肩ロースが麺と一緒に食べられるほど柔らかいのにしっかりと存在感がある
(石神)店の造りが開放感があり、厨房も見やすくて良い
(北島)スープは味と香りで楽しめて美味しい


ということで、ラーメン日本一は「井出商店」となった。


感想

それぞれのお店の特徴は、、、
・大龍ラーメン 白茶濁トンコツ醤油・こってり味
・八戒     茶濁トンコツ醤油・こってり味
・酔笑ラーメン 透明な薄目の醤油色・あっさり味
・あ      透明感のあるやや薄い茶濁・あっさり味?
・井出商店   茶濁・ややこってり味
・呑助飯店   不透明な黒・超こってり油味
・ラーメン藤  薄い茶濁・ややあっさり味
・中島家    茶濁トンコツ醤油・こってり味
・宮口軒    透明な薄目の醤油色・あっさり味
・初代     透明感のある濃い醤油色・ややこってり味

自分の好みに見えたのは、初代、井出商店かな。
初代に対する石神さんの評価が低かったのは意外だった。

皆さんの評価をまとめてみると、、、

  は最高点で、   は最低点です。
  店名   石神 大村 北島 中村 岸本  合計   順位
大龍ラーメン 22  − 22 23 21  88  4位
八戒 21 21 21  − 20  83  5位
酔笑ラーメン 17 21 20 20  −  78  8位
20 21 20  − 18  79  7位
井出商店  − 22 23 24 21  90 日本一!
呑助飯店 21 19  − 21 22  83  5位
ラーメン藤 20 18 19 19  −  76  9位
宮口軒  − 23 22 24 20  89 準優勝
初代 20  − 23 24 22  89 準優勝

最高点をつけたお店としては、初代が一番だったんですね。

それにしても中身の濃い番組でした。


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