9月10日(土)  初日 東京→長崎→佐世保→長崎
朝8時前の飛行機なので5時半に自宅を出て、若干首都高が混んでいて1時間5分で羽田着、ターミナルが増えたことで空港周辺の道がさらにわかりにくいことになってました。

いつもなら機械でできるはずのチェックインができずに受付カウンターの長い行列に並ぶことに。今回のチケットが女房殿のバースデー割引だから誕生日を確認するためで、そりゃあ機械じゃ無理ですわ。ラウンジで無料のコーヒー&クロワッサンを。いつの間にか全面禁煙になったのね。出張が多い時代にはいつもお世話になってました。

羽田を飛び立って間もなく、富士山が綺麗に見えました。といっても新幹線などとは訳が違って目線のはるか下。日本一のお山もこう見えては何か変。でも貴重。



四国上空で多少の揺れがあったものの無事に長崎空港に到着。天気予報は雨でしたが何とか持っている状況、レンタカーで一路伊万里へ。小路に窯元が多数ひしめき合っていて、その案内板も陶器という雰囲気作りがいいです。お店によって花瓶・茶碗・皿などをおいている割合が違いますから、自分の欲しい陶器を多く置いているお店を見つけるのがコツでしょうか。



お昼は近くの伊万里牛という選択もあったのですが、最近流行の佐世保バーガーも遠くないので行ってみました。とりあえず名前だけは知っていた「ヒカリ」、お店近くの道には車が沢山止まっています。その割に行列がないのでオーダーをしようとすると50分待ちなんだと。オーダーをすると番号札を渡されるので見た目は行列がないのですが、そういうこと。

ラーメンなら並んだかもしれませんが、あっさりとあきらめて次候補の「らりるれろ」へ。こちらも人気店と聞いた割にはお客さんなし。同じく人気店の「ビッグマン」と同じ系列らしいです。

店内でも食べられるのでベーコンエッグバーガー(368円)+ウーロン茶(210円)、作り始めるとパティとベーコンを焼く香ばしい香りが店内に充満してきます。大きさは普通サイズで、ケチャップ+ソースにマヨネーズが味付けかな。タマネギは厚めにスライスしたもの、あとはトマトとレタス。チェーン店よりははるかに旨いですが、所詮ハンバーガーですからその域を超えることはないです。(画像



佐世保に行ったのは観光目的でもあったのですが、ちょうど豪雨になってしまったので断念して長崎に戻ると、こちらは曇天ながら雨は降っておらず、大浦天主堂やグラバー園を散策してから至近距離にある「四海楼」へ。ちゃんぽん発祥のお店です。ちゃんぽん(997円)、白濁スープに太めの麺、多量のキャベツともやし・豚肉・海老・蒲鉾に錦糸玉子が山になっています。クセがなく野菜の甘みと海産物の香りがしみ出たスープに、柔らかめの太麺の組み合わせ。後半も印象が変わらず、ここのお店は3度目で結構好きな味です。(画像

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 9月11日(日)  2日目 長崎→島原→雲仙→天草 
島原城は外観を眺めるにとどめておいて、「鯉の泳ぐまち」へ。民家が建ち並ぶ100mちょっとの小路の両脇にある、見間違うと排水路のような様相の水路に湧水を引き入れて鯉を放してあります。当たり前ながら極めて透明な水に大きい鯉が悠々と泳いでいる姿は圧巻です。

何でも住民の皆さんのボランティア・協力で実現しているそうで、無料休憩所にもなっている「しまばら湧水観」でたまたま地元の方たちにお話を伺うことができ、住んでいる方々の街並みの景観を残すという意識の強さを肌で感じることができました。ただ実際問題としては、旧家の改築費用は新築するのと変わらないなどご苦労が多いようです。



移動して雲仙は温泉地の中心にある雲仙地獄を見ただけでスルーして、お昼は「六兵衛茶屋」へ。六兵衛とは今から約200年前の雲仙普賢岳の噴火による飢饉を乗り越えるために、領主の六兵衛さんが考案したというさつまいもの粉を使ったうどん風の食べ物だそうで、全く知らなかっただけにぜひ食べておかねばと思った次第。六兵衛は350円と格安で、天ぷら六兵衛(450円)、椎茸天・牛蒡天が追加されます。それでも安い。

見た目は黒っぽいうどん?のようですが、極めて短くて、柔らかくて粉のザラッとした食感が多少残っています。それはうどんとは作成行程が異なり、麺帯をゆで湯の上から押し出して茹でるためのようです。そんな短い麺なので箸で麺を持ち上げてすするのではなく、丼の淵から直接口に掻き込む方が食べやすい。つゆは見た目薄目で昆布・椎茸がよく効いてやや甘めで塩分も適度と、麺との相性はなかなか。

その地の名物にありがちな落胆は全くなく、これはおすすめです。(画像



天草へは口之津港〜鬼池港までのフェリーで移動。チケット購入には車検証が必要なのは今まで乗ってきたフェリー(仙台〜苫小牧・室蘭〜大洗・新潟〜佐渡・稚内〜利尻など)と同じですが、名前を書かないのは初めてです。なので乗船名簿がないはず。まあ30分ですからね、車1台+運転手1名で@¥2.5弱というのも安い。それだけ地元の足になっているこいうことでしょう。晴れ渡った青い空と穏やかな青い海の上を進むのは気持ちがいいもんですね。天草では大江天主堂などを見て宿へ。

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 9月12日(月)  3日目 天草→阿蘇→南小国
天草パールラインを通って阿蘇に向かいました。5つの橋が島々を結んでいます。晴れていたので空と海の青と島々の緑のコントラストが綺麗です。



昼食は南阿蘇村にある「蕎麦や 漱石」へ。以前は保谷市(現・西東京市)にあり、「多摩の蕎麦・うどん」で紹介させて頂いておりましたが、諸般の事情によりここに移転したものです。自分がそのスタッフである旨をお伝えすると大変喜んで頂きました。

メニューは、玄舞(くろまい・手挽きの玄そばと丸ヌキをブレンド)と和子のそば(南阿蘇産の蕎麦を手刈り・天日干し・手挽き。前日の11時までに要予約)の二種と、本日の蕎麦、鹿児島春そば・高尾野(天日干し熊本産)・会津(手刈り・天日干し)・蝦夷牡丹・きたわせ(いずれも北海道)の中から日によって1種類を提供しています。

たまたま和子のそば(1000円)があったので迷わずそれ。玄舞(1100円)も残り少ないということで併せてオーダー。一度に一枚づつ作っているようで、まずは和子のそば。細めのやや平打ちで甘皮が多少練り込まれています。何も漬けずに2・3噛みしたところで蕎麦の風味が香り立ち上ります。これほど風味の強い蕎麦はなかなかないでしょう。適度な歯ごたえと喉ごしが滑らかで言うことなし。

続いて玄舞、こちらも細めながらその名のとおり黒っぽく、玄蕎麦挽きぐるみらしい風体。香り立ちは穏やかながらしっかりと来ます。歯ごたえ・水切りは前の蕎麦と同じく申し分なく好みです。

辛汁は両方とも共通で、椎茸が強めで濃いめの味付けと変わっていますが、前述のとおりの蕎麦でなければたぶん合わないと思われます。また、玄舞には天日塩が付いてきます。それもまた一興、さらに蕎麦の甘みが強調されます。

最後は蕎麦湯。白濁でやや粘性があって、自分はつけ汁をあまりつけないので十分に楽しめて、これがまたいいんですわ。そんな風に楽しんでいたら蕎麦湯が先になくなってしまいましたが、まだ辛汁が残っています。するとご主人から蕎麦湯をもう少しどうかと、もちろんお願いしました。本当はもう一枚食べたかったのですが、それが売り切れだったことをご配慮頂いたのものと察します。

ここに開店して2年、まだまだお客さんが少ないようですが、先日発売の雑誌に紹介されて徐々に客足が伸びているとのこと。1人で切り盛りしていますから、店内の4席×5が満席になると逆につらいのではないのかなあと、まあ余計なお世話ですね。せっかくこの地に根付きつつあるのですから、地域一の繁盛店になって欲しいです。

お店の入り口が極めてわかりにくく自分は通り過ぎてしまいましたが、街道沿いに大きな看板を出さずに黙々と蕎麦を提供する。そんな謙虚なご主人の打つ蕎麦は絶品でした。(画像



宿を目指しつつ阿蘇山を南から北へ横断。山頂付近が厚い雨雲にかかり、登るほどに天候が良くなかったのは残念で、雲と噴煙の違いがわからないです。そのかわり麓は綺麗に晴れ渡り、放牧されている馬が沢山いました。

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 9月13日(火)  4日目 南小国→阿蘇→南小国→湯布院
今日の移動距離は短いので、昨日雨で見損ねた阿蘇に舞い戻り噴火口を見に行きました。噴煙に二酸化硫黄が含まれているため喘息・心臓病の人は近寄ってはだめなのだと。風向きが逆だったので全く臭わずに底に溜まった水が綺麗な水色。

お昼は昨日のお店再訪という手もあったのですが、目的地と全く逆のため断念して通り道の南小国にある”そば街道”へ。国道に平行して走る狭い道の脇に比較的大きく新しいお店が5・6軒あります。その中から「K」(仮名)というお店へ。

ざるそば(735円)、蕎麦は綺麗に均等の太さでどうみても機械切りでしょう。それにオーダーしてから出てくるまでが早すぎ。蕎麦の風味はありますが、堅めのなかに伸びたような粘性があって、作り置きかもしれません。つけ汁は香りが少なくて自分には甘すぎで合いません。蕎麦湯は一般的なもので、蕎麦湯割りにしましたが特筆することはなし。観光地化を狙ったものでしょうか。蕎麦通にはおすすめしません。(画像

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 9月14日(水)  最終日 湯布院→別府→佐賀関→大分→東京
別府の竹細工の川上工芸社(公式サイト)へ。泊まった宿の竹細工はここの作品のようで売店でも購入できたのですが、どうせならとお店に行きました。小さいお店ながらもなかなか面白い品を取り揃えていて数点を購入。言ってないのに10%以上値引きして頂きました。

予定では別府温泉の地獄巡りもと思っていたんですが見るのは有料なんですね。興ざめして一路東へ。

昼は関鯵・関鯖を産地で食べてみようと佐賀関(さがのせき)へ。魚の名前はもちろん有名ですが産地はここ。ここ以外の港で水揚げされたら"関*"と名乗ってはいけないらしい。最近はブランドを語ったまがい物が流通することもあるようです。ならばここなら間違いないでしょう。漁協直営の「関の漁場」

極めてシンプルな建物で、1Fが直売売店・2Fが食堂になっています。関あじ・関さばの定食が各2100円、単品でも1365円と結構なお値段ですが、都内で食べるよりかなり安い。逆に都内でそれより安く食べられるとしたら・・・いろいろな可能性がある訳です。

関さばは縞模様が綺麗。身が厚くて食感はコリッコリで新鮮ならばこその醍醐味。その分甘みは弱いのは仕方がない。もちろんなかなか食べられない逸品ですが、個人的にはあじ=なめろう、さば=薄い酢のしめ鯖もしくは一夜干しの焼きが大好きなんで、そんな人には好みが分かれるところかなと。(画像



大分から羽田へのフライトは出発が若干遅れたものの無事到着。

懐石料理がこれだけ続くとそろそろラーメンが食べたいじゃないですか、ならばと「支那そば 八島」へ直行。女房殿は移転後は初となります。エビ塩ワンタンメン、おいしゅうございました。


宿の様子はこちらに記述しています)